7月31日
札幌に来ている。雨だった昨日が一夜明けて快晴だ。汗もかかず、かといって涼しいわけではない。太陽が強いが、不快な熱はない。避暑地にいるみたいだ。気候が変われば作品も変わりそう。各地にアトリエがあれば、その土地の波動が作品に変化を与えてくれ、多様な作風が生まれそう。地方や異なった土地に行くといつもそう思う。

7月30日
○本日の寄贈本
幻戯書房より「20世紀断層」野坂昭如著

明日から北海道と青森へ行くので、珍しくてんてこ舞い状態。ちょっと込み入った絵を描き出したために、時間が読めなかった。旅行前にと思ったが、続きは帰京してからになりそう。

それにしても忙しいというのはよくない。ここ数年忙しいという気分をあんまり味わったことがないので、たった一日が忙しいというだけで何もかもが忙しく感じてしまう。忙中閑有というけど、今は忙中閑有だ。

新聞広告が先行してしまったが、やっと「横尾忠則全ポスター」(国書刊行会)が刊行されました。早いところでは明日位に店頭に置かれます。全ポスター900点近く一挙大公開という感じ。今後ポスター作品が増えるということはよほどのことがない限り描くことはないでしょう。(例外はあると言っておきましょう)もうやりつくした感じで、人生の残り時間は絵を描くだけです。「全ポスター」本と同時に、やはり観ていただきたいのは大阪・国立国際美術館の展覧会です。自分がいうのは変ですが、独得の会場構成、これは圧巻です。学芸員がガンバッテくれました。従来のポスター展とは全く違います。きっと予想を裏切ってくれます。ぼくも見納めに何度か行きたいと思っています。自分の個展はテレて何度も観たいとは思いませんが、ポスターの仕事はぼくの中で終止符を打ってしまったので客観的になれるんだと思います。

○本日の寄贈本
みすず書房より「草色のギャラリー」谷川晃一著
里文出版より「広告絵はがき」林宏樹著

新書版「猫背の目線」が全国の三省堂で、ベスト10入りを果たしているそうです。成城三省堂では週間ベスト5に入っていました。ほんの内容は、エエートですね、先ずは店頭で目次など目を通して、あとは家でじっくり読んでもらうのが著作の理想です。

7月28日
○本日の寄贈本
白水社より「ルネサンス・ヴェネツィア絵画」ピーター・ハンフリー著
安藤礼二さんより「場所と産霊」安藤礼二著
マガジンハウスより「あの社員はなぜNo.1なのか」井上健二著

この猛暑、熱中症寸前。頭から水を浴びる。猫の頭にも水を浴びさせる。地球にも水を!

猛暑、それでも絵は描く。絵を描けば発熱する。体内外の入ってくる熱、出ていく熱のド真中での制作は地獄か?極楽か?

元・元匿さん
一昨日、3時から読売ホールで公演してたんですよね。中沢新一さん、坂本龍一さんは別の場所で夜やってたのね。つい先日、坂本さんからトークの話があったんだけど、公開トークってニガ手なんですよ。なぜかというと耳鳴が激しいために相手の言葉が聞き取りにくくって通訳が必要なんですよね。これって本当なんです。だから一人だったら平気。坂本さんから話があった時、部屋での対談だと思って引き受けたんだけど、あとで公開トークだって知って、彼に悪いけど断っちゃったのね。読売ホールの公園は三島由紀夫さんが喜ぶどころか怒りっぱなしの話になっちゃったんですよね。死人に口無しといったって、霊の耳はあるかもね。

7月26日
○贈本
東洋書林より「ヨーロッパ視覚文化史」ジャン・ピエロ・ブルネッタ著
青土社より「生命壱号」郡司ペギオ=幸夫著

明日は読売ホールで三島由紀夫さんについてのエピソードを語ります。1時間の間にスライドを見せて、語るというのはかなり中途半端になる恐れがあります。それと記憶力が日々薄れるこの頃、極力想い出す必要がありますね。でも三島さんの影響は亡くなられてからの方が大きいようです。三島さんのことを想わない日はないですね。人の死の持つ力って実に大きいと思います。

猛暑の毎日、ぼくは公園のベンチで本を読むのが日課です。といっても早朝5時半〜6時頃から8時頃までです。8時になると陽も強くなり、帰路の足は重いです。急な坂を登るのですが、後からきた女性も、それから老人までが抜いていきます。

人生急いでどうするの?と言いたくなるのが、誰も人生の終焉なんて考えている人はいないよね。

Akiko Sanai さん
ピロリ菌は医学的に退治したみたいですが、これからはココア(カカオパウダーですかね)を飲むようにしましょう。どうもでした。

7月21日
瀬戸一旭さん
できなきゃ、生まれてくる必要はないでしょう。

亀岡智さん
そんなに気張らないで、観てください。でないと頭で考えてしまいます。

7月20日
元・元匿さん
来てたんですか。ちょっと咽の奥に喘息が引っかかっていて、話すのがメンドー臭くって。そうね、つっこまれるとリズムができるんですよね。

亀岡智さん
大阪のポスター展は覚悟して体力つけて行って下さい。何しろ900点近いですから。

AKIKO SANAIさん
ピロリ菌にはココアがいいと教えていただき、よくブラッと一人で行く喫茶店でココアを飲みました。ここのココアは砂糖なしなので糖分の取り過ぎはなさそうです。ありがとうございました。

7月17日
○本日の贈本
奥泉光さんより「シューマンの指」奥泉光著
講談社現代新書より「伊達政宗、最期の日々」、「消費税のからくり」、「浮世絵は語る」、「いい会社とは何か」

新国立美術館の「マン・レイ」展を観る。写真が多いが、面白いのは自分の作品はともかく、デュシャン、ピカソ、ルソーなどの絵を撮った白黒写真も展示されている。これって平面を図像化したジャスパー・ジョーンズの写真版って感じだ。正にマン・レイのレディメイドの作品といえなくもない。

7月16日
元・匿名さん
「猫背の目線」の猫はタマです。玄関の牛乳箱の上に座っているんです。この絵のY字路は尼崎のカラオケ店です。絵はまとまらないまま途中で筆を置きました。従って未完。
ダリのカードにダリのバッチ、これ気に入って早速スクラップしました。ダリは好きじゃないけど、海外で出版されたダリ本はほとんどとはいわないまでも沢山持っています。達者過ぎるところと、ここまで描くか、どうしてこの一歩、二歩手前で止めないのか、ピカソやキリコやピカビアやデュシャンやマン・レイみたいにと思ってしまいます。こうしてはいけない、こうなってはまずいという箇所をダリの中に発見する悪趣味がぼくの中にあります。だからこそ画集を沢山持っているんです。奇人、変人は見たことない。本人に会ったら誰も面白いというけれど好きだという人は多分一人もいないんじゃないかな。それにしても見る側の空想力をシャットアウトしていますよ。

7月15日
もっともっと匿名さん
マン・レイのトークはあんまりというか、ほとんど自信ありません。中沢新一さんの文はY字路の作品評というより、Y字路論でしたね。「猫背の目線」成城・三省堂、三ヶ所に大量平積されていて、ちょっと恥ずかしくて、しばらく行きたくないです。ドックの検査ほぼパスでした。胸焼の原因ピロリ菌も薬で退治しました。目下健康優良老人です。

○本日の贈本
糸井重里さんより「あたまのなかにある公園」糸井重里
           「はたらきたい」ほぼ日刊イトイ新聞
日本経済新聞社「マン・レイ自伝 セルフポートレイト」マン・レイ著

7月14日
○本日の贈本
天野祐吉作業室より「ことばを尋ねて」「ことばに出会う」島森路子著

8月発売の「アイデア」誌で「196×」と題して1960/70年代を中心に100ページの大特集号が出ることになった。ポスターだけでなく、本の装丁、イラストレーション、広告などで構成されている。「全ポスター展」のカタログとは別の内容になっていて、ぼくが一番熱かった時代を表している。

新国立美術館の「マン・レイ」展でキュレイターの南雄介さんと講堂でトークをします。トークってニガ手で上手く話せるか、大して自信ないですね。まあ作品が見れるから嬉しいです。

7月13日
大阪の国立国際美術館のオープニングから帰京しました。自分で驚くほどポスターを描いたものだと感心しました。900点近い作品の一点一点、描いたその時の状況をほとんど覚えているのに、われながらこんなに記憶力がよかったのかなと思いました。それと、もう出しつくした感じで、これ以上よほど気分が乗らない限り打ち止めですね。展覧会場の構成、展示方法が一般的なデザイン展とは異なります。夏休みに関西に行く方がおられたらぜひ見て下さい。これ以上の展覧会はもう生涯最初で最後です。では。

国立国際美術館・オープニングセレモニーの模様はPHOTOGRAPHへ掲載しています
PHOTOGRAPH

7月9日
いよいよ大阪・国立国際美術館のポスター展が13日(火)より開催されます。11日から大阪に入り飾り付けのチェックをします。何しろ900点の展示だから大変です。11部屋に分かれ、各時代ごとに各部屋に入っていくという構成です。ゆっくり見ていただくと、かなり時間がかかりますが、部屋ごとに変化があるので、退屈しないで観賞できると思います。(9月12日、月曜休館)。お待ちいたしております。

人間ドックの結果、ちょっと胃が疲れていたので、目下薬で治療中です。副作用の強い薬ですが今のところそれほど影響受けてはいません。

7月8日
今日、ポスター展のためのカタログが出来たが、印刷ミスを発見したため、全面的に刷り直すことになり、13日発売が20日頃になりそう。豪華本のために、大きい書店以外には並ばないと思うので予約していただくことになります。国書刊行会発売「横尾忠則全ポスター」(全900点)定価12,600円(税込)。

高校時代に描いた処女作から今回の大阪・国立国際美術館での個展ポスターまで収録しています。近日中にHPのインフォメーションで公表します。

7月6日
金魚が突然死んだ。小さい方も虫の息だ。何故死んだかさっぱりわからない。新しく来たメダカも死ぬ。魚を買うのは難しい。どうも人間と関わることに原因がありそうだ。見えない毒をまき散らしているのかも知れない。今いるメダカを最後にもう魚を飼うのは止めだ。

MOOさん
あなたの生活に必要なら電子メディアをするもしないもあなた次第です。ぼくはtwitterでコミュニケーションを取ろうと思っていません。内なるつぶやきを吐露しているだけです。嫌なことは止めた方がいいと思います。何も世の中の流れに従うことはないでしょう。全てあなた次第です。

7月5日
今日は大阪国立国際美術館の展示作品のミーティングを学芸員としました。11の部屋に各時代ごとに900点のポスターを並べます。さらに肉体感覚(五感)を部屋ごとに体感できるようにも考えました。この個展は最後のポスター展です。ぜひ観て下さい。

7月4日
朝6時過ぎに公園へ散歩。緑の下で読書。帰ったら汗だく。シャワーでスッキリ。美容院でヘアーカットしたあとオイルマッサージに行く。今日は身体の手入れに励む。

7月2日
最新エッセイ集「猫背の目線」(日経プレミアシリーズ・新書版)が出ました。といっても今日見本刷が出たばっかり。発売は来週土曜日か日曜日。地方は13日(火)です。エッセイ集は「人工庭園」(文藝春秋)以来2年振りです。今回は新書版です。


今朝6時半から野川周辺の散歩です。陽が強くなかったので、快適。公園のベンチで、人を眺めていました。最近は犬のヒモが自由自在に伸び縮みするのが流行っているようです。物凄い勢いで長い髪をなびかせながら自転車をこぐ遅刻の女生徒の姿はアニメそっくり。また大きいカバンを背負って二宮金次郎にたいに本を読みながら歩く小学生。ガリガリにジャコメッティの彫刻みたいにやせた中年女性がこれまた針金みたいな犬を連れて歩いているそんな風景を眺めているとアッという間に一時間半が過ぎました。

7月1日
今井信吉さん
何を描いていいのやらわからないのは、絵を描くことに向いてないんじゃないでしょうか。または他人の作品を意識していませんか。先ず第一に絵は苦しむものではなく楽しむものです。あれこれ考え過ぎだと思いますよ。結果に拘っていませんか。しばらく絵から離れたらどうでしょう。


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