2012年9月28日
蜷川実花さんの写真はあの世じゃなく、この世の地獄を見たような肖像写真だ。どうも死との縁が深いようだ。

この間アメリカの雑誌のためにドイツのカメラマンに撮ってもらった写真は、まるで幽霊だ。生きながら自分の幽霊と対面した。

蜷川実花さん
「ユリイカ」の表紙撮影ありがとうございました。今日明石さんから写真データ見せてもらいました。写真はカッコイイですが、もう写真を撮られる年令じゃないなあとつくづく思いました。でもいい記念になりました。

4日前からコタツを入れている。老人みたいだけど年令は老人だ。

ボストン美術館のキュレイターが、「シャンバラ」展が終了したので新聞の掲載記事を持って来訪。作品が新聞に大きく取り上げられていた。絶対好評しない評論家が大絶賛したことで、「一体、何が起ったの?」とそれがまた話題になったとか。出品作のテクナメーション作品のコレクションが決まった。
先週渋谷パルコブックセンターで「横尾忠則コラージュ1972-2012」のサイン会があった。100人以上に為書き入りでサインをしたが、まだ腱鞘炎が治っていなかったので、多少ダメージを受けたが、書店や出版社はホクホクだ。
「ユリイカ」(11月号)の横尾忠則特集で山田洋次さんとアトリエで対談をする。毎回話している映画談義の延長だ。会う度の話を全部記録するときっと面白い。
風の強い日サングラスをして自転車で走ると目(睫毛)がえらい痛いが、サングラスを取ると全然痛くない。眼鏡を掛けている人は大変だなと思った。

2012年9月27日
年末年始に「ユリイカ 横尾忠則特集」、「全装幀集」、「映画、演劇、コンサートのポスター集」、カタログ「反反復復反復」展、1月には「別冊太陽 横尾忠則」などが出版予定。詳細は追って。

出版物に関わりながら再び絵の制作に入る準備をしている。

2012年9月26日
不眠の翌日は今まで睡眠が帳消できなかったけれど最近は不足分追加で眠れるようになった。加齢と共に睡眠が短くなるというが、昔の方が短かった。
「ユリイカ」の表紙を蜷川実花さんに撮ってもらった。大道具、小道具を大量に持参。迷いなくアッという間にシンプルなセット造り。撮影枚数も少ない。彼女は自信に満ち満ちていた。

2012年9月25日
一昨日なんかコタツを入れたくらいだった。ここ2年間珍しく風邪を引いていないので、用心している。老齢には風邪が万病のもとになる。

時々、体の重心を崩して、倒れることがある。倒れかかっている途中で、体を元に戻すことができないまま、ズズズダダーンと倒れることが最近は多い。1年前には考えられなかったことだ。
「ユリイカ」11月号で個人特集が行なわれるので、表紙写真を蜷川実花さんが撮ってくれることになり、スカイ・ザ・バスハウスの展覧会場で。
この年令になると生活、仕事、人間、物、思考全般において断捨離が必要になってくる。増やす生活から減らす生活に切り換える。特に雑縁を生む義理と利害に関わる人間関係を断つことだ。
誰と比較するわけでもない。日馬富士は「私は私だ」と言ったこの言葉は大事だ。

2012年9月21日
新沼謙治さんのCDジャケットのポートレイトを描くので、DVDでリサイタルを
見る。やっぱり「津軽恋女」は何度聴いてもいい。新沼さんは素朴だけれど話好きだ。デビュー当時、東北のどこかの体育館でコンサートをした時、楽屋でやぐらゴタツを囲んで話合ったのを思い出した。
米粉パン、胡桃密、野菜スープ(季節に合った)、しょうが湯、きな粉ミルク、果物が朝食メニュー。

昼間でも喘息のヒュー、ヒューという咽の音がする。これを猫に聞かせると、何故か怖がる。
本日渋谷パルコブックセンターで「横尾忠則コラージュ: 1972-2012」(国書刊行会)のサイン会がPM6:30より。お問い合わせは、パルコブックセンター渋谷店 
http://www.libro.jp/shop_list/2009/07/post-40.php
TEL:03-3477-8736
若い頃は生活が不規則だったけれど、近年はなるべく規則正しい生活に変えた。
三度の食事時間、就寝時間、などで、旅先でも9時までにホテルに帰ることにしている。
規則を破った絵を描きたいと思ったら生活を規則正しくすべきだと考えている。
秋の足音は早く、5時になると暗くなるのでアトリエをあとにしてしまう。
しばらく暑かったので自転車通勤だったが、涼しいので歩く。すると運動不足
だったことが如実だ。身体がドスンドスンと重い。臼をついたように重い。

2012年9月20日
睡眠は7時間取っているのに昼間眠くって。朝風呂のせいもあるけれど……。絵までなんとなく眠そうだ。どうも絵はぼくの場合、頭より体に正直らしい。
秋口になると夏の間に体を冷やし過ぎたので喘息が出やすい。最近はなるべく熱いものを食べるようにしている。だけどどの店もまだ冷房が強く、原発0のシミュレーションがまだできていない。
テレビで「ゴーストバスターズ2」を見た。これはまるでぼくのコラージュ作品だ!
現在開催中のスカイ・ザ・バスハウス(http://www.scaithebathhouse.com/ja/)での個展を最後に当分(数年)東京では発表しないと思います。この際是非見て下さい。(日、月は休み)

2012年9月19日
スカイ・ザ・バスハウスは日曜日、月曜日は休みです。この2日に訪ねる人が多いようなので、ご注意下さい。新刊「横尾忠則コラージュ 1972-2012」も画廊で販売しています。アートプラネットのネットでも
世田谷美術館の「対話する時間」展を見る。1、2階の全館で展開したちょっと見ごたえのある展覧会だった。ラウシェンバーグ、バスキア、キーファ、クレメンテ、ペンク等、日本の現代美術家も網羅したじっくり語りかけてくる作品群に堪能できるだろう。

2012年9月18日
近畿リウマチ病研究会のトークで医師からぼくの病気の治り方とその解釈が医学の最先端の研究対象とピッタリ符合するというので「病の神様」(文春文庫)と「猫背の目線」(日経プレミアシリーズ)から、様々な分析と解説が施された。その話を聞いて驚いたのはぼくだ。

高倉健さんの2本のドキュメントのビデオを見た。そこに健さんの生き方を見た。あそこまで自らを律して生きることのできる人はそう多くないと思うが、仕事(映画)と人生が全く乖離していない「わが道」の生き方に感動以上のものを得た。
旅が続くと、どうしてもご馳走になる機会が多く、つい食べ過ぎてしまいます。そして胸焼けが続いています。散歩でエネルギーを消費するしかない。身体が怠惰になると絵が描けません。

しばらく制作を中断すると、何を描いていいのか判らなくなる。そんな時は名画の模写をするか、自作の反復か、自画像を描くしかないね。ぼくに模写、反復、自画像作品が多いのはこんなことが理由なのかなあ
行きつけの整体院でまた山田洋次監督とバッタリ。1時間ほど山田さんの映画の構想などを聞く。話しながらどんどん構想がかたまっていくらしい。いつも聞く度に別の映画の構想だ。一体何本準備作品があるのだろう。

2012年9月14日
ノンレム睡眠に入ったところでタマが寝室の前で雪男(イエティ)のような声を出したために朝まで眠れず、そのまま大阪に向う。

2012年9月13日
飼メダカなのに野良メダカみたいに近づくと逃げまわる。それに対して野良蟻と野良猫はいつの間にか立派な飼い蟻、飼い猫になった。
海外在中の日本人の方へ。MoMA(N.Y)で開催中の「Century of the Child: Growing by Design, 1900-2000」展に出品しています。~11.5迄。
ボストン美術館(~10.21)、カルティエ現代美術財団(~9.30)も合わせて見て下さい。
山口県立萩美術館・浦上記念館で「清親と安治」展が開催中。清親といえば「光線画」の作家。西洋絵画の技法や印刷物を模したせいか、江戸情緒を描きながら、どこにも土着の匂いのない実にカラッとした近代的表現が魅力的だ。また摺違いの反復による興味も尽きない。
清親の「御茶水螢」は鬱蒼とした真黒の樹木の間の漂流に浮かべられた屋形船とその周辺に飛ぶ螢は星座のようでかつて深夜のアマゾンで鰐を捕獲する船に乗った日のことをいつも思い出すのだ。
清親の光線は見れば見るほど歌舞伎の夜景の舞台照明のようだ。その人工的な陰影が現実では経験できない不思議な情緒と郷愁を呼ぶ。といって長く浸るのはぼくの創作にとっては危険。
事務所の親子猫(4匹)の父親猫が病院で病死しました。いつも庭から、かつての妻猫と娘猫達の様子を見にくるのが日課でした。またこの猫のもう一匹の妻猫(愛人?)はその事実を知らず毎日遊んでいます。

2012年9月11日
ぼくはコーヒーを滅多に飲まないが、たまに飲むと、顔が熱くなって酔っぱらったようになる。

2012年9月10日
展覧会(スカイ・ザ・バスハウス)も始まり、コラージュ作品集(国書刊行会)も刊行され、過去は過去として今日から新しい作品の制作に入ります。その前に今日は神戸にオープンする横尾忠則現代美術館開館(11月3日)の記者発表が国際文化会館(六本木)で行われます。

昨夜はテレビで日本に帰化されたドナルド・キーンさんのドキュメントを見る。「今が一番幸せ」と画面から始終笑顔がこぼれていた。それにしても90才でインドやアフリカに旅行される好奇心と体力に感服。

2012年9月7日
今日はスカイ・ザ・バスハウスの個展オープニング。久し振りのギャラリーでの個展(新作含む)。豊島(テシマ)のハウスプロジェクト(来年)の参加作品のプレビューでもある。アーノルド・ベックリンの「死の島」に基づく作品群。
すでにベネッセに所蔵されている数点の作品に加わる予定の新旧作と滝のポストカードのほんの一部を披露。実際には約一万枚展示予定。YOKOO HOUSE(仮)のオープニングは来夏ー来秋。瀬戸内海豊島にて。

2012年9月6日
4泊5日の長旅(?)から無事帰還。旅の途上で20号ペインティングの制作も加わる。瀬戸内海(直島)、神戸、西脇へとアートの旅を経て、無事にアトリエに着地。そこで待っていたのは新刊「横尾忠則コラージュ」(国書刊行会)。やっと出来ました。

2012年9月5日
昨日は5時起床。一昨日から描き始めた絵をホテルの部屋で描く。短時間だったが20号を完成。神戸から山本さん、服部さんが来て、展覧会の打合せ。夕方に京都から建畠哲さんが来られて市長らと夕食。本日のサムホール展の審査をしてもらう。

2012年9月3日
土、日に瀬戸内海の直島に行く。豊島で企画されているYOKOO HOUSE(仮)の打ち合せ。民家を改造した小ミュージアムで、完成は来年。ホテルの窓の下は瀬戸内海。夜になると、目と鼻の先に高松の街の灯が長く尾を引く。次の朝船で宇野港へ。岡山から新幹線で京都の瀬戸内さんの家へと思ったが、天台寺へ出張。神戸からタクシーで西脇へ。タクシーの中で岡山で買った弁当を食べる。午後はホテルで休息。オテルの部屋の窓から俯瞰する郷里の街は、ただ沈黙するのみ。東京ではぼくの部屋は1階なので街を俯瞰することが滅多にないので、車の往来を見ているだけで飽きない。

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