YOKOO'S VISION - 横尾忠則の日記 -

2026年09月

今度、ロシアの出版社から「飽きる美学」(実業之日本社)がロシア語で出版されます。プーチン大統領がこの本を読んで戦争をするのが飽きてくれればいいね。そしたら、この本はノーベル平和賞ものだね。ウクライナからも出版してゼレンスキー氏も戦争を飽きてくれればいいよね。

ロシア版のエッセイもいいけど、来年はアメリカの出版社から「YOKOO BY YOKOO」と題して最初から英語版の自伝が出ます。

今、アメリカの美術評論家のエドワード・ゴメス氏が、ぼくの伝記本を書いています。来年前半に日本語版が出て、次に英語版が出ます。

もう一冊、今イギリスからもオリジナル版でインタビュー集が出ます。

さらに、もう一冊、チェコの女性キュレーター兼美術評論家による横尾論が準備中で、これは1年半後になります。

今はAIが簡単に翻訳してくれるので外国版もぜひ読んでみてください。外から見た日本人アーティストはどうみられているかということです。

間もなくイギリスのテームズ&ハドソンの豪華画集が10月に出ます。向こう版はアマゾンで手に入ります。すでにT&H社がSNSでPRを始めているのではないかな?

最近は食欲と味覚がなくて、一日中つまみ食いの食生活です。

だから体力がなくて困っています。やっぱり90歳はエネルギーの限界かなと思っています。

先ず歩くことがつらくって、息切れ動悸も激しく、こんな天気はもろ体にこたえます。

「飽きる美学」がロシア語で翻訳されて出版されることになったことと関係あるのかないのか知らないけれど、重版されることになりました。

全編「飽きる」話を書いているわけではありません。僕が経験したこと、体験したこと、直観したこと、友人達のこと、病気のこと、生きること、死ぬこと、芸術のこと、役に立つこと、役に立たないこと、運命のこと、輪廻転生のこと、などなどです。

まあ、世の中の考えや、常識とは反対のことを語っています。こんな本がどうしてロシアの人達に興味があるのか、一度聞いてみたいですね

今度、アメリカで自伝が出ます(来年)が、絵を通して語る自伝です。これとは別にアメリカ人が外から見た僕の伝記も書かれていますが、これは日本でも出ますが、日本と海外とのズレが面白いと思います。

10月に世界発売される画集「TADANORI YOKOO」は、ぼくなら絶対はずすようなものがデカデカと掲載されていたり、これは絶対見せたいという作品を見事ははずしたりしていて、そのズレに文化的、歴史的ズレが大変興味あります。

それにしても食欲がなく困っている。食べても砂を噛んでいるようで、味覚がないので、つい食べたくない、食べる喜びではなく食べる苦しみです。

食べてないのに常に満腹状態です。とにかく食べることが苦痛です。こんな感覚は今まで一度も味わったことがないですね。

病院で診てもらって、ありとあらゆる検査の結果は健康体です。わけわからん話です。

また、この状態を説明することが物凄く難かしくて、人に伝えられない。言葉を超えた感覚で未知との遭遇です。

だから水ぐらいですね、飲めるのは。こういう病気ではない病気を診る病院ってどこかにあるんですかね。人間は90までが人間で、そこから先きは人間ではなくなるような気がします。

どうも人間ではない領域に入りかけているような気がします。人間の医学ではわからないんじゃないかな。本当に「飽き飽き」しますね。

ある人から手紙をいただいた。その内容は「未完で生まれて未完で生きて、未完で死ぬ」を読まれた方からで、あの本の中で横尾さんは好き勝手に自由で生きていますが、今の時代はそうするとボコボコでSNSなどでやられると。ヘェー、そーなんですか。60〜80年代の生活の創造をそのまま書いただけです。

思ったこと、感じたこと、考えたこと、直感したことをそのまま行動したのがあの本「未完で生まれて未完で生きて、未完で死ぬ」です。あの時代は価値観が決まっていなかったので、自分で価値観を切り開いていくしかなかったそんな時代です。

そーすると、現在は価値観が決められた時代ということになるんですかね。かえって生きにくくないですかね。あの本をもう一度読んで、あの時代と今の時代を比較してみて下さい。

あの本の前身である0歳から21歳までの、ぼくの生き方の基本概念を決めた時期の幼・少年期の自伝を書きました。近い内に文芸誌で発表します。

とにかく食欲がなく困っていますが、90歳代はどうやらこんな状態が自然体らしいです。食べられなきゃ食べなくてもいいという自然体です。欲望のシャットアウトです。悟るしかないですね。

皆さまはまだ90歳を経験していませんが、早く90歳になって、この90歳の現実を体験してみて下さい。ここから先きは人間の限界に挑戦するしかないのです。

食欲がなくなった。かつて好物だった食べ物もまずいので自然に食べなくなる。90歳になると味覚もにぶり食欲もなくなるので思った時につまみぐい。それでいいと思うことにした。

1日3食は90歳にはつらい。1日に1食でもカロリーは充分。

歩くのも面倒臭い。だから歩かない。運動不足でいい。年齢と共に生じるハンディを、その時の自然体と思うようにしている。

56年ほど前にとったヌード写真集を今頃出出すことになりそう。自然の中を20人のヌードが駆けめぐるそんな写真集だ。その内徐々に紹介しよう。

「運命まかせ」の第2弾が新潮新書から、また出ることになったが、内容はガラリ変化。タイトル未定。

茂木健一郎さんとの対談集も来年出版予定、これは面白い。