YOKOO'S VISION - 横尾忠則の日記 -

2026年04月

久し振りで小説の装幀をしました。保坂和志さんの「鉄の胡蝶は」です。2、3年前に山田詠美さん、そのずっと前は筒井康隆さん、そして村上龍さん、その前は半村良さんと錚々たる作家の小説本を装幀していましたが、本の装幀は近年ほとんど2〜3年に1冊程度あるかないかです。

この保坂さんの「鉄の胡蝶は」は13年振りの超長編小説です。雑誌「群像」に連載(今も)しているのに一向に単行本にならなかったのです。だって終わらないから単行本にならない。

一体この作家といつまで付き合っていいかわからない。なぜなら小説が終わらないからです。勿論今も続いています。それだっていつ終わるかわからない。だけど2冊目がこの秋に出ます。

保坂さんのファンは、それを聞いて、あわてて「鉄の胡蝶は」を買うでしょうね。さらに、3冊目、4冊目、5冊目、6冊目と出版されますが、いつ出るのか僕は知りません。著者も知らないでしょうね。

先ずこの本の装幀のカバーを取り外して見て下さい。小説と同じようにカバーもカバーの裏まで続いています。とにかく続くことに意味があるのです。終わらないことにも意味があります。

どんな意味かは、著者も出版社も知りません。なぜなら意味など考えて書いている小説ではないからです。

意味や目的や結果のないものは小説とはいいませんが、この小説はそれらがないという意味の小説です。

またこの小説家の保坂和志さんとは長い付き合いで、葉書のやりとりが延々続いているペンパルです。

葉書の内容はいつも猫の話です。本の装幀には保坂さんの撮った半家、半野良の、りんちゃんという猫の写真を装幀に使いました。

今後もこの本の装幀を担当することになっているみたいです。小説が終わりそうにもないので、僕がこの世からいなくなっても、装幀だけは生存し続けます。

著者本人が自著は「面白いよ」と言ったって誰も信用してもらえませんが、4月4日の毎日新聞の書評欄で、フランス人文学者の鹿島茂氏が冒頭いきなり「運命まかせ」について「本書はベストセラーになるだろう」と語って下さっています。ぜひ4月の「毎日新聞」の書評欄を読んで下さい。

見なかったけれど、昔、若い頃20代の頃に作った「チムチムチェリー」の映像がNHKの「みんなのうた」で 4月〜5月の1ヶ月間、毎週土曜日の朝(午前 6時35分〜6時40分)に放送されます。

薬の副作用で体調を崩し、止めたら快復しました。薬を多用している方は、副作用をチェックしてみて下さい。

この間から野菜嫌いを止めようと思ってサラダを沢山食べるようにしました。調子いいですね。

意味とか目的をはっきりさせないと行動を起こさない人が結構多いですね。こーいう人と仕事はなるべくしないようにしています。こういう人は計算高いですからね。

面白いからやろうという人としか仕事をやらないようにしています。仕事の数は減りますが、この方が結果もいいし、第一健康にいいです。