2019年12月26日
暮になるとバタバタする。人も来る。何かせわしいが、実際は何も変らない。絵さえ描いておればいい。
来年の展覧会の話があちこちから来るけれど、そのために何かすることはあるのだが、ボチボチやるしかない。シンドイことだけはしたくない。
周辺の人たちが、ポリープやガン細胞が見つかって、切除した人が、けっこう多い。そろそろ行くかな。
油絵は乾きが遅いので、考える時間がある。その時間は楽しい時間だ。描く時間と思案の時間、どっちも好きだけれど、嫌いでもある。
2019年12月24日
ちょっと風邪っぽいかな。あわてて葛根湯を飲むが、昔ほども効かない。それは年のせいかも知れない。年と共に色んなことが次々起ったり、変化する。命に別条ないレベルのことなら、これはこれで結構面白い。
何回も言っているけれど絵を描くのは面倒臭い。描くのが飽きたのだ。でもいやいや描くのは、いやいや描いた絵は、どんな絵になるんだろう? というのを見たいからというのもある。
年寄りはおかしなことを言ったりするけれど、生きていることや、生活がメンドークサクなっているんじゃないかな。これも新しい境地だと思う。
酒井忠康世田谷美術館の館長さんが「横尾さんへの手紙」と題する本を出版された。外から見た僕のことや作品について書いたもので、僕が読むとドキドキ、ヒヤヒヤだけど、面白いので読んでみて下さい。うちのネットでも扱っているはずです。
今日は風邪気味っぽいのでソファーでデレーッとしている。猫のように横になって治すのをマネて。
2019年12月23日
昨日が冬至。一年で一番短い日。今日から、日、一日、一日と長くなっていく。暗い井戸の中に閉じ込められていたのが、少しづつ這い上がっていく、そんな感じ。
X'masといえば1967年ニューヨークに4ヶ月滞在して、空港で荷物をホテルに忘れてきたことに気づいて、ホテルに引き返してもう一泊した。面白くないX'masイブだった。
しまいこんでいた昔の洋服をひっぱりだして着ることにした。60年代、70年代、80年代、90年代のそれぞれの時代のファッションを混ぜ合わせて着ることにした。古着なのかアンティークなのか、変なのものだが、サイズの合わないものも結構ある。
時代は越えていても、その時代のテイストで買ったものばかりだから、自分にとってもとんでもないものはない。でも今着ると、とんでもないものになるかも。
2019年12月19日
衣類を整理していると昔の流行の洋服などがでてきた。アンティークの古着だと思って、レトロ気分で着てみよう。
アナウンサーが、ガンを告白して、テレビで延々、心情を話していたが、ガンに限らず、死ぬ時は何かの病気が原因だ。これだけはわからない。
生まれる時も苦しいらしいが全く記憶にない。死ぬ時も記憶はないのかも知れないけれど、そこへのプロセスが結局怖いのだ。
ニッコリ生まれて、ニッコリ死ぬのがいいが、中にはこんな人もいるかも知れない。
2019年12月18日
歯の手術をしました。気持ち悪いけど、考えてみたら音と感触に怖がっているだけで、実際は痛くないことがわかりました。現実にはこういう想い過ごしが沢山あるんだと思いますよ。
口の中の違和感と痛みは取れないので、どうしたらいいかと思った時、「蜂蜜!」と浮かんで、それを口の中に何度か流し込んだら、アラ不思議、違和感と痛みがウソみたいにケロッと取れました。
NHKの大河ドラマ「いだてん」は終りましたね。今年はどこに行っても、誰に会っても「いだてん」のロゴのことばかりだった。変な一年でした。
2019年12月17日
ここ10日ばかり歯が痛む。虫歯とかではないと思う。肩のコリとか、身体が冷えているとかで自然治癒を期待している。猫みたいにジッとするしかない。
老齢になると面白いほどアチコチが故障し始める。五感はほぼ全滅。残るは第六感だけ。これで勝負するしかない。
ジッとしているのが一番いい。ジッとしていると事が動き始める。タマの絵を目的もなく描いていた。それをアトリエで見た出版社や画廊主が、本にしましょう、展覧会をしましょうと、物事は自然に動く。
朝日新聞のネット「好書好日」の「アトリエ会議」の3回目がアップしている。例の保坂和志、磯崎憲一郎、横尾の鼎談。
2019年12月12日
この間榎本了壱さんが、ぼくの「文學界」の小説「原郷の森」の中に何人も出てくる死者達の言葉が全てぼくのようだと言った。極力その人になり切って語っているつもりだけれど、どの人間も全部ぼくに思えるという。ぼくの中の複数の人間が登場したのだろうか。
まあ、ひとりの人間の書く人物なので、たとえ複数でも、ぼくになっちゃうのか。ウーン、まあそりゃそーだよね。でないとぼくは多重人格ということになってヤバイもんね。
もし、この小説を読んでいる方がいれば、ちょっと感想を聞いてみたいね。
今一番怖いのは夜の雨なんですよね。わが愛猫おでんが、雨だと外出したがらないので、オシッコをされちゃうのがヤバイんですよね。
2019年12月02日
ここ数年、生活から音楽が失われてしまった。難聴のため音楽が聴こえない。補聴器を装着しても音が変質してしまう。音楽はズーッと自分の一部だったが、その一部が失くなった。
こうして加齢と共に身体の機能が失われていく。身体が勝手に断捨離をしてくれる。
先週の木曜日、突発的に神戸の美術館で公開制作をした。にもかかわらず大勢の人が来たのには驚いた。まあ、僕にとっては休養後の体力テストだった。100号、150号の2点共未完で終った。
今、開催中の「自我自損」展には、脈絡のない作品が展示されているので、グループ展みたいだった。滝のポストカードの部屋は関西では初登場。まだの方は是非、この鏡の部屋をじっくり体験して下さい。
滝のポストカードの部屋(インスタレーション)は豊島横尾館とはまた違った空間になっている。特に足元にはご注意。今月の22日が最終日。あとしばらくはこれを発表する予定はありません。
この展覧会には東京のスカイザバスハウスで発表した新作も展示している。見逃した人はどうぞ。