2014年1月31日
わがが家のタマが体調をくずしている。というより100才近いので、まあ老衰かな。今日、点滴打ち。午前中2人(1人は1匹)で日光浴をする。
もう少し頑張って生きてもらいたい。人間と競争だ。
土、日は恐らく人と話すことがないだろう。今週は来客も少なく、静かなもんだった。今日は半年振りで、アトリエから駅前まで歩きで往復した。でも毎日は無理だ。
2014年1月30日
久し振りの雨で野川の鯉も生き返っただろう。渇水状態で背鰭を出して泳いでいたので、この雨は鯉にとって甘露だったろう。
夕方、トワイライトタイムの色は美しい。冷んやりした雨上がりの空気は格別だ。自転車でゆっくり遠廻りして帰る。
古本屋に行くが定休日だった。こんな日は新刊書店より古本屋の方が気分が落ちつく。
2014年1月29日
一年ほど前肩をガクンとやってから、ズーッと痛かったのが、2、3日前からスーッと痛みが消えた。この歳で何もしなくっても治ることに驚く。こんな感じで足指も治らないかな。
まだ足には執着があるけれど、肩の方はもうあきらめていた。このあきらめが治してくれたに違いない。あきらめも時には前進するんだ。
2~3日前の富士山の積雪部分は北斎のきりふりの滝の絵とそっくり。どうしてこの描き方で富士山を描かなかったんだろう。
海外の学芸員と展覧会のことで会う機会が多いが、どの学芸員もラジカルで前向きで自分を生かそうとする。だけど日本の学芸員はどうして保守的で用心深く、自分を出すことに恐れるのだろう。(まあ一部の優秀な学芸員を除いてはね)
皆さんには関係ない本だけれど老人総出演(でもないか、若い人もいる)で「老後の食卓」(文春文庫)というオリジナル文庫本が出た。ぼくも執筆者の一人だけど、誰の言葉も面白い。
2014年1月28日
一日中アトリエにいるか、公園にいることが多い。そのせいか、言葉から離れていることが多い。勿論しゃべらない。ひとりごとでもいわない限り、しゃべらない。孤独と沈黙が友っていうとこかな。
そうだなあ。足の痛みと会話していることはあるが、別に足に話かけるわけではない。なんとかならんのかなあと思っているだけだけどね。
そう、猫に言葉を掛けることは多い。向こうからの返事はないけれど、こっちの感情は感じとってくれているような気がする。そんな感触を感じた時は嬉しいのね。
2014年1月27日
神戸から帰ってきた。足の痛みも一緒に帰ってきた。
明日から「横尾忠則の昭和NIPPON」展開催。青森県立美術館の巡回展だけど、当館長の鷹山ひばりさんは青森展よりはるかに理解度が高く、作家の意図をよく表わした構成になっていたと絶賛された。
兵庫県立美術館でのポンピドーセンター展を観る。現代美術の最新版。映像作品に若い人がたかっている。ここ一館のみの展示。
さあ、旅の疲れを制作で癒そう。制作の疲れを癒すものはやっぱり制作しかない。
2014年1月26日
旅は好きだったはずなのに、移動すると自分から離れてしまいそうになる。むしろ離れることの快感がよかったというのに。一ヶ所にいて遠くを想う方が好きになってきた。
休日の楽しみのひとつはマッサージに行くことだ。このことで元気になるとか、健康になるとかではなく、マッサージを受けているその時間は特別だ。まるで天使と無言の会話を交しているような心地だ。
2014年1月25日
神戸に帰ると忙しい。知っている顔、知らない顔、知っているけれど思い出せない顔、顔の攻撃を受け続ける一日。
2014年1月23日
青森県立美術館の巡回展の「昭和NIPPON」展のために神戸へ。明日がオープニング。今日は記者を集めたプレビュー。
この間まで5時は真暗けだったが、今日は明るい。そんなわけで労働時間が長くなる。やっぱり人間も冬は冬眠するべきだ。
野川のビジターセンターの水槽のメダカは冬も泳ぎっぱなしだけどわが家の庭の瓶のメダカは底で冬眠中。メダカでも色々運命というやつがあるんだ。
2014年1月22日
何が健康かといって、ぼくの場合はやっぱり絵を描いていることですよね。長い間休業していましたが、そろそろ、ぼつぼつ始めました。
5月から10月まで開催されるカルティエ現代美術財団での30周年展に、世界中のアーティスト(科学者、数学者、小説家も含む)が集まり、100人位の参加者のポートレイトを描くことになりました。またシンドイことを!!
時にはこのような負荷も健康のために必要なんですよね。制作に時間をかけると、動く時間も増えるからいいんです。
まだ歩くよりは自転車での移動が中心です。歩くのは300メートルが限界かな? この限界を決めているのは体ではなく脳なんですがね。脳の言うことはなるべく信じないんですが、今しばらく……。
近くに「関東富士見百景」があって、そこから真正面に富士山が見えます。特に朝は朝日を受けてきれいです。アトリエからも見えていたけれど隣の家の木が茂って見えなくなりました。残念。
昔から朝起きて顔を洗うのが嫌で、今も変らず。特にヒゲを剃るのが面倒。クリームをつけてサッと拭きとればすむようなものはないんですかね。
2014年1月21日
日記は「秘密」の場合と「公開」の両方がある。だけど「秘密」をも秘密の事がある。書かない秘密というのがね。言葉にする程度の秘密は秘密じゃないのよね、きっと。
本当に「痛い!」という時は「痛い!」さえ秘密にして言わない。
ぼくの絵はそーいう意味では日記的だと思う。露出しているけれど人には判らない。だから秘密の絵画ということになる。
自作についてペラペラしゃべりたくなる人は最初から秘密なんかないの。だけどしゃべることで秘密を明かしているつもりなのよね。
結局誰もが自分のことを知ってもらいたいわけ。
2014年1月20日
ぼくは古本屋によく行く。昨日は「川端康成随筆集」(岩波文庫)を買った。小説は何冊か読んでいるけれど随筆をまとめて読んだことがない。しかも新刊で、半額だった。
ストレスは精神的なことだけでなく、天候や環境の変化でも起こる。あんまり喜び過ぎるのもストレスになって急死することもある。パチンコで「7」が3列になって大喜びした若者が亡くなったことがある。
怒らないで我慢するのもストレスになる。怒り過ぎもストレスになる。どうしましょう。
ストレスは江戸時代にもあった。封建時代には女性のストレスが多かった。現在は男性の方が多いかも。
ペットもストレスになる。家族の感情をモロ受けてストレスになるらしい。ストレスはまるでテレパシーみたいですね。
2014年1月14日
今日は調子良く描けるぞと思っていても、次の瞬間ダメかもと思うことがある。そんな時は描くのを止める。無駄な努力がますます悪い方にいくからだ。
毎週土曜日「寅さん」を観ている。ひとりひとりのセリフが面白くって。誰も間違ったことを言ってないのに、なぜかケンカになる。
寅さんみたいに自分のことを棚に上げて物言っていることってわれわれにもよくあるよね。だけど寅さんはなぜか憎めないんだよな。トリックスターだからかな。
2014年1月10日
元ザ・タイガースの加橋かつみさんアトリエに。昔からお互いに認識しあっていたけれど会うのは初めて。タイガースの結成から脱退、そして現在に至るまでの知っている話、知らない話、どの話も興味深かった。その間に交差する共通の友人、知人も懐かしかった。60年代の現場が思い描かれた。
「月刊平凡」か、「週刊平凡」だったと思うけれど、似たもの同志で加橋さんと一緒に並んだ写真(モンタージュ・ツーショット)が掲載されたことがあったけれど、加橋さん、覚えていますか?(今日言うのを忘れていた)
2014年1月9日
去年は絵本「どうぶつ図鑑」(芸術新聞社)を出したが、今年はぬりえが2冊出る予定。4月には冒険をテーマにした作品のぬりえ(芸術新聞社)と5月にはパリのカルティエ財団からもアーティストシリーズのぬりえが出版される。日仏両ぬりえ競演というとこかな。
今日は気温がやや高いのか足の痛みやや軽い。暖房で暖かいのは全く関係ない。やはり自然の恵みは有難いものだ。
2014年1月8日
ここに来てまた足指痛み出した。寒さのせいだと思うんだけれど、診てもらった方がいいのかな。でも答えはわかるんだよね。
高橋英樹さんが何年も続いた腰痛で、いよいよ手術、という時に、別の先生が「ストレスでは?」と言って、その先生との会話を度々続けている内に治ったという話をテレビで見た。
2014年1月6日
三島さんがぼくの作品を心霊術と結びつけているかをこの文(ポップコーンの心霊術)で知った時、ぼくは心霊術などに無関心だっただけに、「ヘェー!?」と、思っただけだった。
「文豪怪談傑作選/三島由紀夫集」東雅夫編(ちくま文庫)を買ったら、集録作品に<ポップコーンの心霊術/横尾忠則論>が掲載されていてびっくりするやら嬉しいやらで、先ずこの一文が怪奇幻想文学専門の文芸評論家の編者の東雅夫氏の目に止まったことだ。
正月休みはほぼ毎日絵を描いていた。長い休筆期間があったので、中々乗れない状態が続いた。アトリエの温度調整が上手くいかなかったり、まだ足親指がチクチクして、制作に集中できなかった。
治ったかと思うと、再び痛み出すので、その日にならないと行動の予定がつかない。絵も思うようにならないけれど体も同じだ。
今年は仕事の依頼の予感がする。相手の欲望に対して、こちらも同じ欲望を持つと振り廻される。去年のように欲望を最少限に抑えること、それでもしんどかった。今年は頭から突っぱねる気でなきゃ。
若い頃は相手の欲望がこちらの利益になっていたが、今は違う。したいことだけはするけれどしたくないことはしないことが逆に運を呼ぶ。
相手の欲望は常に強引だ。それに負けないためには時には義理も欠こう。義理に従うと体を壊す。
2014年1月5日
100才とか長寿の人はきっと時間から解き放たれていて、そのことさえ知らないというか無頓着な人だと思う。
2014年1月4日
絵を描くことは時間を止めることでもあり、自分の外へ放出してしまうことでもある。時間を忘れる術を覚えると自由を手に入れる秘密を知ったよーなもんだ。
2014年1月3日
日一日一日が長くなっていくのが何より嬉しかった。一日が二日になったわけでもないのに、時間がいっぱい増えた気分だった。
2014年1月2日
正月休みは毎日絵を描こう。本を読もう。散歩と日光浴もしよう。そして、何もしない時間も持とう。
2014年1月1日
明けましておめでとうを78回も言ってきた。(一、二才時はまだ言葉を知らなかったので76回か)
怠ければこれ以上怠けれるための絶好のチャンスが年末年始の正月休みだ。今年のぼくは少し働くことにした。4ヶ月の休暇を取り返すためも少しはあったと思う。だけどケガと病気は創造のための神が与えてくれたプレゼントと考えた。
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