10月27日
○ギャラリーTOMで東野芳明氏を偲ぶオマージュ展 「水は常に複数で流れる」 に描き下ろし絵画作品を出品している。海底で東野氏を埋葬するマルセル・デュシャンとジャスパー・ジョーンズ。その頭上に浮遊する東野氏の幽体を描いたレッド・ペインティングのシリーズの1点。11月12日(日)まで。
○35年間にわたって家族写真を撮っていただいていた安河内羔治さんが急逝され、生前決まっていた個展がくしくも遺作展になってしまった。そして目下新宿四谷のポートレートギャラリーで肖像画展が開催されています。写真館専門の写真家で格調高い古典的な作品群をぜひ観賞して下さい。僕のポートレートも沢山展示されています。

10月20日
○京都国立近代美術館でプライスコレクション展を見た。すでに何点かの現物は見ていたが、初めて見るものが大部分であった。4階には館収蔵の琳派も展示されていて、その隣の部屋にはぼくの60年代のシルクスクリーンのポスター30点が展示されている。こうして一堂に展示されているのを見るのは初めてだったが、プライス→琳派→横尾の流れが実に面白かった。プライス展に便乗して多くの観客にぼくの作品が見てもらえるのは嬉しいことだ。ぼくの60年代のシルクスクリーンのポスターがこうして江戸時代の作品とパラレルに展示公開 (ちょっとした個展) されているが意外的効果があって自分でも刺激的であった。(11月5日まで)

10月19日
○徳島へ例の日本文化デザイン大賞の授賞式に行くために、神戸から「エクスプレス阿波」という高速バスに乗るのだが、このバスは先着順に一番後ろからつめていくという実にけしからんルールを作っているのだ。皆ブツブツいっているが誰も文句をいわないらしい。JRのやることはどうもわからん。

10月18日
○昨夜コタツを入れて寝たら、夜中に熱くなってふとんから飛び出したために今度は体が冷えて朝起きると咽が痛く、ここ一年以上風邪を引いていないのであわてて明日病院で点滴をしてもらうことになった。点滴ってぼくは好きなんだ。その間ボヤーっとしながらいつも画集を持っていって見るのが楽しみなんだ。

10月17日
○ "日本文化デザイン大賞" の授賞式が徳島で行われたので行ってきました。主催の日本デザインフォーラムは1980年に梅原猛氏、黒川紀章氏、高階秀爾氏らを中心に発足したものです。現在は文学、アート、建築、評論などの分野で活躍する専門家120人によて構成されています。毎年各県持ち回りで行われている会議です。神戸からバスで、帰りは京都までバスの日帰りで大変疲れました。過去の大賞受賞者は何故か成城に住んでいる人、例えば黒澤明氏、小沢征爾氏、武満徹氏。ぼくも成城ですが、まあ偶然です。また成城から出ると面白いですね。

10月16日
○どこかの街が成城の一角にタイムスリップしてきたかのように、成城の駅は大変貌してしまって、地の底から湧いて来たかのように人、人、人。なんだか自分が急に田舎者になったような気がしてならない。毎日駅に青汁を飲みに行っている。

10月14日
○偶然どこかで会った人が、急に思い出したように仕事を頼む。こういう人は最も信用できない人だ。後日連絡しますと口先だけ。連絡してきたためしがない。こういう調子のいい人ってどこにもいるものだ。美術界にもいる。だけど自分ではないと思っているだろう。では名前を上げましょうか。
○巨人戦の視聴率が一桁になったそうだ。子供の頃からずっと巨人ファンだったけで、2年前からアンチジャイアンツになってしまった。どちらが面白かったというと、そりゃ今のアンチの立場の方がずっと面白い。

10月13日
○世田谷美術館ではアンリ・ルソー展をやっている。ルソーの他にプリミティブ派の作品、それにルソーの影響を受けた日本の画家。さらに現代作家のルソーへのオマージュ作品も展示されている。その中にぼくの1967年制作のパロディー作品5点も出品している。現在は絵画による絵画の大流行だけれど、それ以前にぼくは1967年ART by ART をすでにやっていたことに気づいた。この頃イラストでもこの手のものを沢山描いていたが、いずれ発表の予定。

10月12日
○深夜に一度必ず目が覚めてトイレに行く。そしてこれもまた必ずテレビをつけるか、本を1時間位読む。また寝る。眠ろうとあせらないこと。不眠症の方におすすめだけれど、不眠症の人は頭の中が「眠る」ことでいっぱいだから無理かも知れない。そんな時ぼくは親しかった死んだ人のことや、子供の頃の光景などを回想すれば眠れたものだった。また白いスクリーンを頭の中に描いて思考をストップさせる。無我になることだった。

10月10日
○兵庫県立美術館でジャコメッティ展を見てきた。最終日の前日ということもあって結構人が多かった。だけどジャコメッティの彫刻を観るには人がいない方がいい。人がいなくてもジャコメッティの作品そのものが鑑賞者のように見える。いたとしても1人か2人だね。彫刻もいいが絵画もいい。一寸ジャスパー・ジョーンズのある一時期のモノトーンの作品を想い出させる。会場の後半の作品は舞台を連想した。しかも能舞台を。

10月7日
○成城学園前駅が駅ビルに様変わり。オープンと同時に大勢の人が集まり、一体ここはどこ?という賑わいを呈している。どちらかというと静かな街なのに一体どこから湧いてきたと思うくらいの人出ですっかり街が変わってしまった。便利はよくなったかも知れないけれど、昔の木造の頃の駅や、人があんまりいなかった淋しい頃が懐かしい。

10月6日
○「風と共に去りぬ」に続いて日生劇場に出演した轟悠さんのミュージカル「オクラホマ!」を初日に観た。全編芝居だと思っていたら、ショーがあってやっとタカラヅカという感じだったが、日生はオーケストラボックスがないのでオーケストラはステージの上。宝塚劇場のように大階段も銀橋もないのはやはり淋しい。それにしてもラストでオーケストラの指揮者のはしゃぎ振りは昔のスマイリー・小原を思い出してしまった。タカラヅカではないカーテンコールも見られるのもここが日生劇場だからだ。

10月4日
○郷里の西脇へ行こうとしたら、今は兵庫県は国体でホテルも旅館もない。では神戸と思ったが、ここもなく、結局大阪のホテルで泊まることになった。50年振りの兵庫県での国体だそうだ。そういえば高校を出た年国体のレスリング大会のポスターが一般公募されて、応募したら一等になって採用され印刷された。キュービズム風の抽象的な人物を描いたが、よく通ったものだと今見て思う。ぼくの記憶の中ではついこの間なのに、あれから50年。なんて人生はこんなに短いんでしょう。

10月2日
○若い人は若い考えを持つ。そして若い作品を作ればよい。若い人が老人が見るように物は見ることができない。若い人が絶対わからない物の見方や創作をやればいいとぼくは毎日考えている。
○最近十代の頃読み忘れた本ばかり読んでいる。それと以前読んで忘れてしまった本もだ。どうもぼくは昔の人になってしまったのか、古いものにしか興味がない。ぼくの未来はやっぱり過去に向かうことだ。

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