5月30日
間もなく細江英公さんの撮られた土方巽さん出演(?) の「鎌鼬」という初版が70年代に出版されたリニューアル本が出ますが、その当時のブックデザインは田中一光さんです。そしてぼくが手がけたニューバージョンの写真集はアメリカとヨーロッパのみで発売されるためのもので、豪華なボックスをデザインしました。この豪華版は残念ながら国内では発売されません。ぜひアメリカで発見して手に入れてみて下さい。そのうちデザインのみネット上で紹介します。
5月29日
はるにれさん
以前こんなことを書いた本を読んだことがあります。前世で恋人だった人が一緒になれなかったので、次に生まれる時は常に一緒にいたいために、子供になって生まれてくるというような内容だったと思います。でも親子となればまた恋人同志の関係じゃなくて、子供の側からすれば親の目の上のタンコブ的存在で、きっとしんどいと思いますよ。
真澄MILTAKさん
スペインのカダケスのダリの家を訪ねて、ダリとその夫人のガラには会いましたが、ダリと親交を結んだわけではありません。20世紀最大の奇人、天才芸術家に会ったことはぼくの人生の中でも特筆すべき出来事でした。アンディ・ウォーホールやヘンリー・ミラーの家を訪ねた時も強烈な印象が残っていますが、ダリはまるで夢の中の幻想風景のようでした。
河童さん
三島由紀夫氏とは何かと沢山仕事をしています。若いあなたには三島氏の生きていた時代、そしてあなたのいう60年代、70年代はぼくにとっても日本にとっても特別の熱い時代でした。過去の時代はぼくの中では過去ではなく、今なお生きています。現代の中に、この時代の様々な要素を見ることができます。一度顕彰して見て下さい。
5月28日
○ VISIONのテーマ時々品切れてしまうことがあります。そんな時BBSに何か質問でもして下さい。そしたら答えられることに関してのみVISIONでお答えします。ただし身の上相談的なのは自信ないです。
また只今開催中の伊東市の池田20世紀美術館での個展「Y字路から湯の町へ」を観ていただいた方、ぜひ感想、批評などお待ちしています。
○年内にこのVISIONの文章をまとめた単行本が刊行される予定です。かつて質問を受けた方への文章(解答)も掲載します。
5月26日
只今「Y字路」の絵画全て69点を収録した画集を編集中です。伊東市で開催中の「Y字路から湯の町へ」展の後半には間に合うかなというタイミングです。編集にも工夫があって物語り、または散策、または旅をしているような感じが味わえるような本にしたいものです。8月には刊行(東方出版)予定です。久し振りの画集です。もうしばらくお待ち下さい。
5月25日
BBSが再開されていることをちっとも知らずに、今日初めて見ました。内輪のことって知らないことが多すぎますよね。ひとりひとりにお答えしたいと思いますが、その内お返事しましょう。でなくとも毎日のように友人、知人から本が送られてきたり、手紙をもらったりしていて、そのお礼状など休日にまとめて書いたりしています。今の人はメールで用を済ませますが、われわれ世代というか、ぼくはやはり元郵便友の会員といたしましては、原始的なコミュニケーションが性に合っている感じです。
宝塚ファンへ
一昨日は月組の彩輝直の引退千秋楽でした。静かな客席ですが、この日ばかりは彩コールで黄色い涙声で、カーテンコールが、さあ何回あったんでしょうかね。ちょっと数えきれないほど多かったです。外は雨だというのに彼女の最後の姿を見たいファンが道路を埋めつくしていました。なんだかつらい気分になってしまいました。
5月23日
もし、グラフィックデザイナーがこの欄にアクセスされたら、一冊おすすめする本があります。「細谷巌のデザインロード69」(白水社)です。若いデザイナー志望の人には勉強になるだけではなく、面白くて腹をかかえて笑ってしまいます。細谷さんはぼくより一才年上だけれども、彼のことをぼくはガンちゃんと呼んでいます。ガンちゃんは実に正直な人です。正直であるということは平和の論理につながるかも知れませんね。
5月17日
中村勘三郎襲名歌舞伎を観に行きました。野田版ということもあって伝統的な歌舞伎からは完全にはみ出して、時には歌舞伎の伝統をパロッたり、お笑い系の芸人もそのついでにパロッたりで、まあスパーお笑い歌舞伎というところですが、勘三郎のスラブスティックな芸にはエノケンとチャップリンをたして、ミスター・ビーンと藤山寛美を3で割ったような全くわけのわからんキャラにただただあきれて笑うだけで、最後はゾーッと怖かったりしました。
5月14日
○ 人のパーティーに出席すると、面白いのは昔の知人などに会うことです。ところが10年振りとか5年振りで会うので一瞬誰かとわからない。われわれの年齢になると日進月歩ならず日退月歩で見る見る変化してしまうのです。まあこれも味があっていいのですが・・・・・。満遍なく出掛けて人に会っていないと、怖いですね。でも人の変わりようを見るのを楽しみにすれば、5年か10年に一回位でもいいでしょうね。ところで残された時間そんなにあるのかな?
5月13日
○1978年に細野晴臣君とインドに行った時制作したLPレコードがCDで最近出版されました。この音楽の制作に当たり、音楽プロデューサーという仕事をしました。それがこの「COCHIN
MOON」(コチーンムーン)という曲です。その後の細野晴臣のアンビエント・ミュージックの原型をなす曲の数々です。ドイツで人気が出たCDでもあります。ぜひ聴いてみて下さい。ジャケットデザインはLPレコードの縮小サイズです。
5月12日
国立劇場に文楽を観に行った。最前列の右端で舞台がよく観えなかった。舞台の左右に字幕が出るがそれさえ全く見えない。この席は絶対三等席にすべきだ。まあぼやきはこのくらいにしておくが、隣に座ったおじさんは終始パンフレットを暗がりで見ている。(文字等見える明るさではない)浄瑠璃の言葉をはさみ込みの小冊子で捜しているらしいが、それにしても3時間の間舞台を見たのはせいぜい5分くらいか。あと1時間は眠っていた。そんな変なおじさんのことに神経が行き過ぎて「人形とおじさん」、「おじさんと人形」を交互に観ていたので結構疲れました。
5月10日
池田20世紀美術館 (tel:0557-45-2211)の個展「Y字路から湯の町へ」が8月31日まで開催されています。観光をかねて足を運んでみて下さい。Y字路と銭湯シリーズの合体です。常設にもピカソ、ダリなどなど東京でも見られないアッという名作があります。必見の価値ありです。
しばらく振りに絵の制作に入ったら、描き方を忘れてしまっていました。この感覚が初々しい作品を生んでくれると嬉しいのですがね。何しろ半年振りのアトリエでの制作です。色まで色音痴になっているのにはこれもびっくり。誰の絵か分からない作品ができれば最高です。
5月9日
宝塚を卒業したOGによる芝居とショーが新宿コマで今年4回目の公演を行いました。出し物は「桜祭り狸源氏」で鳳欄さんが主役で往年のトップスターがずらり出演です。お客さんのほとんどは高齢者ですが、出演者は今でも現役バリバリで行けそうなスターが何人もいます。現役組に比べたら皆な芸達者でとにかく歌が上手いのには驚きました。去年から年に一回のOG組を観るようになりましたが、こちらのファンにもなりました。われわれもガンバラにゃという気持ちにさせてくれます。月曜日は国立劇場へ文楽を観に行きます。またその三日後には歌舞伎です。この前はオペラです。大衆芸能も伝統芸能もクラシックもぼくの中では線が引かれていません。
5月8日
GWの前半は何もしないでボヤーッとしていました。一日だけ神津善行さんと一緒でした。身体の事などが話題の中心です。早く老人になるところは早くなり、若いところはまだ若くとそんな感じです。これからのテーマはこういうところですかね。
読む本は山積みされているのに、どういうわけか以前読んだ本ばかりをついつい読んでしまいます。新しい本を読むよりもこの方が面白いんですね。人生は反復なんでしょうね。
この季節が一年で一番好きです。体と心がひとつになり易いからです。
5月7日
京都国立博物館の「尊我簫白」展で講演をしたのだが、10年前に簫白の画集に書いた文章を読むことにした。その中でどうしても読めない言葉があった。「冒す」。「おかす」と読むのかなと思ったけれど、全体の文章を考えると意味が通じない。瀬戸内寂聴さんと夕食をとる3時間の間、瀬戸内さんも「何だろう?」と言って考えられるだけで、よくわからない。「講演会場のお客さんに聞きなさいよ」と言って、文学者も「わからない」の一言。別れる寸前「わかった。おかすだわ!」とおっしゃった。それならぼくもわかっていたけれど前後の意味がどうもわからない。講演寸前に博物館の簫白専門の狩野博幸さんに聞いたら、「それは誤植で冒ではなく目です」と言われた。つまり「もくす」というわけだ。ああこれでやっと意味が通じた。その文章というのは「世人狂人を似て目す」である。
5月6日
瀬戸内寂聴さんに「最近どうも物忘れが激しくなってねえ」と言ったら「そりゃぼけ老人になりかけているのよ」と言った。
「われわれの年になるとぼけ始めるのよ」
「われわれなんて、瀬戸内さんと同じ年にしないで下さいよ」
「ハッハッハッハッ、そんなにひらいていないわよ」
「いいえ、ひらいています」
「ハッハッハッハッ、そうそういい薬があるわよ。ぼけ防止の薬が」
「そんなのいりません」
「まあ、そんなこと言わないで飲んでみなさいよ」
と言って瀬戸内さんからサプリメントが送られてきた。嬉しいやら嬉しくないやらだ。やっぱり嬉しくない。
―日経って―。電話。
「飲んだ?」
飲んでないけど、「飲んだ」と返事
「どう効いた?」
そんな即効性があるとは思えない。
「まあ効いたみたい。忘れなくなったみたい」
「そうでしょう。本当効くんだから。私はもう4ヶ月位続けているけど、全然ぼけてないみたいよ」
いつも電話でこんな話になる。