11月26日
 2泊3日で山口県の錦町に行ってきましたが、役場の人達が広島駅まで車で迎えに来て下さって、先ずは原爆ドームを見学。すぐ横を流れる太田川の遊覧船で川からの広島見物。もうお上りさん気分です。ガイドさんの広島の原爆の悲惨な話が多く、気分は少し落ち込んでしまいましたが、改めて戦争の恐ろしさと平和の喜びを感じさせられました。そのあとは以前個展をした広島市現代美術館で、久し振りに自作に「少年、少女の王国展」で出会いましたが、150号はアトリエで描いている時は大きいですが、美術館ではやはり300号位欲しいと思いました。岩国の錦帯橋の前のホテルにチェックインして、錦町のらかん高原に向かいました。ここにはピラミッドを模して建てられた建物があり、その天井画を描いています。中央のピラミッドの頂点から星雲が渦状になってそこから緋鯉が沢山舞い降りてくる絵柄で、四季の星座の周辺には星の数ほどの蛍が乱舞しているという作品です。これは写真に写るのが非常に難しく、現物を見てもらうしかありません。ピラミッドはエジプトのギゼと同じ角度のもので、ギゼのピラミッドの延長線上に建っていますので、ピラミッドパワーの影響は強く、ピラミッドの中にしばらいくいると、体調が変化するのがわかります。ここで健康を快復した人が沢山いると報告を受けました。翌日は五龍の滝を見物。この滝壺で案内してくれた役場の男性職員がシンクロナイズドスイミングをしたテレビCM作品を作りグランプリを取って全国にも流されたそうです。
 翌日は大阪国立国際でマルセル・デュシャン展の2度目の鑑賞でした。この展覧会にはデュシャンへのオマージュ作品を出品していたので妻と行きました。また宝塚の「ドリーム・キングダム」のレビューの舞台美術をもう一度確認のつもりで観に行きました。一番前の席だったので迫力満点で、ちょっと異質な舞台となっていました。楽屋で轟悠さんからファンの評判が非常にいいと教えられ一安心。朝海ひかる、舞風りら、貴城けいさんらも大変喜んでくれました。轟さんからはこれからは宝塚のスタッフになってどんどんやってくださいとも言われ、宝塚はお仕事というより趣味なので作品作りは楽しいです。彼女とは熊本市現代美術館の一月からの個展でトークショーを行います。熊本出身の轟さんのファンはきっと大喜びでしょう。

11月22 日
 土曜日、スカイ・ザ・バスハウスへ俳優の土屋嘉男さんと行く。ちょうど南伸坊さんや熊本市現代美術館の館長の南嶌さんも見に来てくれた。近くのレストランで食事をして谷中界隈を歩く。途中、アイス最中、葛餅、たいやきなどちょっと糖分を取り過ぎたか。画廊には相変わらず人が次々沢山来て賑わっている。絵など生まれて初めて見るようなおじさんまでもがおずおずしながら画廊に入ってくる。夕方弥生美術館の南洋一郎と挿絵展を観に行く。昔の挿絵画家はみんな誠実な仕事をしていて、頭が下がる思いだった。もうこんな人物も時代もやってこないような気がする。
 よく行くおそばやの奥さんは五夜連続のテレビドラマ「弟」を観ながら泣いておられるそうだ。石原裕次郎さんがよく近くの姉妹店の陶右衛門にそばを食べに来られたので、懐かしくつい涙が出るのだろう。我々同世代の者には「裕次郎」は特別の想いがある。裕次郎と共に時代を生きた者には彼の死は辛いものだった。彼の生存中一度家に伺って篠山紀信に写真を撮ってもらったことがある。兄慎太郎が裕次郎のポートレイトを版画にしたシルクスクリーンの作品がわが家にあるが、これは都知事の石原さんとぼくの版画を交換したものだ。裕次郎さんの家はわが家から歩いて100歩位の所にあるが、夜はひっそりしていた。きっとまき子夫人は一人で「弟」を観ておられるのだろう。
 今日は散歩日和であると同時に制作日和でもあり、読書日和でもある。絵は描きたし、散歩はしたし、本は読みたしである。ということで結局三つともしてしまった。こういう時は一カ所に居ながら、同時に他の所にも行けるというバイロケーションの術が欲しい。

11月16日
 BBSでは夢の話で盛り上がっていますね。最近は昔のようなスペクタクルな夢を見なくなって、日常の延長みたいなごくつまらない夢になってしまいました。日常が夢化したのか夢が日常化したのか、境がなくなったのか、無意識がなくなったのか(そんなバカなことはないと思う)意識と無意識がひとつになったのか、(まさか!)夢が面白くなくなったことだけは確かです。
 スカイザバスハウスのギャラリーには大勢来てくれてありがとう。27日までです。海外に流出する作品が何点かあるので、国内ではこのシリーズ全作揃うのが最後になると思います。この機会にぜひといいたいところです。
 大阪国立国際美術館のオープニング展「マルセル・デュシャン」展を観てきました。現代美術の原点ともいうべき作品(観念)を見ることができます。第二部ではデュシャンに対するオマージュ作品が展示されています。ぼくの作品もあります。現代美術を語る上では無視できない作家です。デュシャンを入口に現代美術に目を向けてみて下さい。

11月14日
 不眠症が完治したのは、眠る前にふと「死んだ人のことを思い浮かべてみよう」と思って実行してみたら、すぐ眠りに落ちてしまった。眠りは一種の「死」のシュミレーションみたいなところがあるから、死者に接近することでもあると思います。「安らかに眠る」という意味が少しわかっちょうな気がしました。
 宝塚市にある宝塚大劇場でのぼくのデザインした舞台美術がついに幕を開けました。他の舞台とはちょっと違う感じで、評判がいいので、ホッと胸を撫で下ろしてしまいます。出演者にしか目がいかないのを舞台美術に目を向けさせようと努力したのが、成功したようです。それにしても初日の前日の通し稽古を見て、「ああ、宝塚には入れない」と思いました。
 来世生まれ変わったら宝塚のトップスターにと思っていましたが、諦めました。とにかく彼女たちは大変な才能です。ぼくは一日も持ちません。あんなにセリフを沢山しゃべって、踊って、歌ってなんてとってもできないことがわかりました。さて来世は?また絵を描く?いや別のことをやりたいですね。できれば生まれ変わりたくないです。

11月8日
 色んな人からメールなどで不眠症解消法など教えていただきありがとうございました。ところが数日前から急に不眠が解消されて、たっぷり7〜8時間熟睡するようになりました。もう心配はないです。不眠の間には沢山読書ができうまく時間を利用しました。今月は小旅行が続きます。睡眠不足も一種の旅かなと思いました。勿論夢は最大の旅です。地上にない国への旅です。さあ今晩はどこの国へ行くのでしょう。

11月2日
 熱が下がって喘息が下火になって喜んでいたのも束の間。今度は不眠症になってしまいました。昔も長期間不眠症で悩んだ時期があったんですが、ある日本の新聞広告で「眠らないと死ぬ」というコピーを見た途端びっくりして、その夜から不眠が解消したというおかしなことがあり、不眠に悩んでいる人にこの体験を伝えるんですが、かえって怖がられているようです。さあ、今回はどんな切っ掛けで不眠が解消されるのかが楽しみでもあり悩みでもあります。要は「想像」の問題で、普段創作の祭、むしろ想像は排除しているのに、眠りに関しては想像的になってしまうというのも実に「私は謎」としかいいようがありません。