7月30日
 平凡新書「横尾流現代美術」が出ました!
話し言葉だから読みやすいでしょう。読んでいただいた方からの読後感などいただくと嬉しいです。
 昨日(29日)は急に頭痛がして、左手がしびれたように感じたので、日産玉 川病院親しい先生にTELしたら、脳硬塞だったら大変!すぐ来て下さい、といわれてタクシーで飛んでいく。脳神経の先生にも来てもらってCTとか首のレントゲンなど撮る。結果 は「何もない」でした。あとは看護婦さん達からお茶や手作りのチーズケーキのサービス。先生には病院内の見学に同行してもらって、一件落着。夜はカタログの色校正で、都現美の学芸員の南さん、美術出版社の大橋さんら、結局午前12時を廻ったのじゃなかったかな。ぼくは12時までに寝る人だから一足早く帰る。

7月27日
 目下発売中の「装苑」(9月号)に「横尾忠則『日本』三島由紀夫史」8ページで紹介されています。なんでも目下60年代が強い関心の対象だそうで。二人の出会いを飯田高誉さんが論じています。都現美出品の新作の一部も掲載されています。このあとすぐ「エル・ジャポン」(9月号)にも「二人のカリスマ」みたいなタイトルで草間弥生さんと特集されます。さらに「ブルータス」のアート特集号では都現美の個展特集が16ページ折り込みで紹介されます。これらの記事を見て是非都現美へ飛んでいって下さい。8月10日よりです。間違わないように。それにしても今日は暑い。一昨日パレスホテルで宝塚の貴城けいさんのディナーショーに招かれて行ってきましたが、同じテーブルにアフリカのギニアのサンコンさんと一緒しました。そのサンコンさんが「日本はアフリカより暑い」といっていましたので、よほど暑いんだろうと思いますよ。ディナーショーの方は雪組の若手11人によるもので歌ったり踊ったりで、まあサンコンさんは初めて宝塚を見たもので大喜び。だけど本物の宝塚の1000分の1なので本物を見るときっと腰を抜かすかも知れない。貴城さんは同じ成城の住人で、そんなわけで応援しているというわけ。昨日は部屋で「歌がつっかえた」といつ涙がボロボロで泣いていました。お母さんは「昨夜はいい声が出るようにと馬肉を二人前も食べたというのにねえ」といっていました。また会場に来ていた成瀬こうきさんに会ったんですが、彼女は下級生に「ダメ出し出されるゾー」と大声で終わった後部屋へ帰る子達をおどかしていました。まあこんな話は宝塚ファンでないと面白くないんですがね。

7月22日
 細江英公さんの運転で奥さん同行。わが家も奥さん同行で清里(山梨)に行く。途中前後左右に富士山が突然あらわれ、そして消える。その富士山が北斎の描く富士山と同じようにとんがって見える。富士山を南から見るとそう見えることがわかった。
  以前にも一度行ったことがあるが、中々の美術館で、ラジウムかなんだか忘れたけれど温泉がついているホテル付き美術館である。今井寿恵さんの展覧会のオープニングに大勢招待されて、その中に作家の高橋源一郎さんもおられた。今井さんの馬の写真はそのへんの動物写真とは全く違う、あんまりいいのでちょっと驚いてしまった。来年の一月までやっているが、東京でも個展ができるといいのにと思う。パーティーはちょっとした結婚披露宴ぽかったが楽しかった。翌日の10時に細江さんの車で成城まで送ってもらう。ぼくが「プリンツ21」という雑誌で毎月日記を発表しているのを細江さんが読んでいて、「増田屋でいつも冷やしきつねうどんを食べているので、一度食べてみたい」ということで増田屋へ。ばったり小澤征爾さんに会う。その昔細江さんは小澤さんを撮ったことがあるが、小澤さんは忘れてしまっている。93歳のお母さんが入院しておられて、昨夜は病室の床に薄いマットを敷いてもらって寝たら、夜中に看護婦さんの足が目の前にあって、まさか抱きつくわけにもいかないし、なんて面白い話をされる。そのあと細江さんとお嬢さんがわが家に来られて、夕方まで美術論などする。まあそんな一日でありました。

7月19日
 
今日は清里フォト・アート・ミュージアムにこの美術館の館長細江英公さんの車で清里(山梨県)へ今井寿恵さんの写真展のオープニングに出掛けます。今井さんは世界的に知られた馬の写真家です。この美術館はホテル付きで、なかなかモダンで快適です。温泉もあります。オープニングは今夕で東京からも沢山招待されています。また現地からメールを送ります。
 やっと都現美出品の新作も描き上がり、今しばらく絵の制作は休みです。ちょっとあきちゃったという感じです。またこのようにあきないと作風の変化も起こらないのです。

7月16日
 やっと新作が完成したと思ったら個展のカタログの編集などで休む間もなしです。300ページ以上のカタログで400点収録されております。また平凡新書「横尾流現代美術」が出版されました。書店に並ぶのはいつ頃だっけ。全編語り下ろしなので読み易いです。定価は740円です。安いでしょう?
 このところモーレツに忙しくってメールをする時間がないんです。時々飛ぶかも知れないけど、アクセスして下さい。都現美展をひかえて、色々と情報を流します。
 いよいよ狂言「クローン人間ナマシマ」のチケットが売り出されました。都現美、または国立能楽堂に問い合わせて下さい。何しろ一日だけの公演なので、東京では最後になります。できるだけ早くチケットを手に入れてください。前売りはチケットぴあにて7月15日(月)より東京都現代美術館チケットブースにて売り出し開始しているそうです。前にもいったように美術と装束をデザインしています。ぜひ観て感想を送って下さい。

7月12日
三家映子さん
 和歌山から都現美に来ても絶対損はさせません。当分これだけの大きい個展は開催されません。2フロアーを使用します。グッズも用意しています。狂言「ナマシマ」や映画「新宿泥棒日記」も上映、アート・トークショー、宝塚のトップスターとのトークも行ないます。Hプォよくよくチェックしてください。

Yさん
 ぼくは昔から後悔をしない性格みたいです。済んだことにくよくよしないタイプです。もし失敗だったとすれば、新しい状況、新しい局面が展開したと思って、それを利用すれば、いつもと違った自分を発見するんじゃないですか。何でも変化する為のチャンスだと思ってみれば。

N.Iさん
 向上したいという気持ちは人間のポジティブな本能じゃないかな。実行するかしないかは本人次第だけれど。でもこのことが手段になると行為自体が楽しくないでしょう。楽しくなければ向上もしません。向上なんてことを目的にするからです。目の前のことに無心で取り組むと、それは遊びの次元に昇華されて体中生命エネルギーが活性化し始めます。そして気がついたら向上したいことに気がつけば最高じゃないですか。
それにしてもこんなことでいちいち悩んでいたらこれからどうするんですか。こんなことで他人に相談するのは甘えです。考える力はますますつかなくなるよ。

相馬裕見子
 いちいち神示に振り回されないで、毎日の生活、仕事に眼を向けて精を出すことです。いかに実生活が大事であるかということを認識して下さい。

7月10日
 先週山口県錦町の寺本町長さんが来られて、8月に当地で子供を対象に(大人も参加)絵画教室を行なう打ち合わせをしました。錦町の見晴しのいい羅漢高原に新しくできた建物に天井画を描いたという話はすでにお伝えしましたが、その町で、行なうワークショップです。町の中央には錦川が流れていて、色とりどりの大きな鯉が沢山泳いでいます。またホタルの季節にはホタルが大量に飛び交います。そんな光景をポスターに描いています。(希望者は錦町役場に問い合わせてみては)錦町の帰りは広島市現代美術館での個展(10月3日より)のため会場を見に行きます。原美術館で発表したY字路「2002、9、11」は実は錦町界隈の風景です。広島の個展でも広島のY字路を描く予定。

●土、日はHPは休みですが、OPENする日もあります。その日の気分で生きていますので。

●8月の都現美の個展に合わせてポストカードやTシャツ、ポスターなど、少し遅れて人形なども作ります。アートグッズ関係も今後少しづつ増やしていきます。アイディアなどお寄せ下さい。

●時々わけのわからない所から賞を与えたいからといってきます。国際文化芸術ナントカから去年断ったのに、今年もまた決まったからといって、それも断ったら、それなりに名のある人が代わってもらっていたりするのだが、なんでもウン万円持って来て欲しいとか、もう全く。だからその賞を貰った人はそれなりにウン万円払っているんだろうなあ。賞を金で買ってまで欲しいとは思わないねえ。今もアメリカからナントカ賞とかが決まったからといって聞いたことのない名称は立派なナントカ協会からきているけれど、これだって怪しいものだ。一寸前はアメリカのある大学から名誉教授になってもらいたいから、セレモニーの時の帽子とかガウン代8万円なんていってきたので断ったら、結構日本の有名な建築家が帽子とガウン着て壇上で挨拶している写真などパンフに載っていたりして、結構みんな賞が欲しいみたい。数年前まだ黒澤明さんが生きておられた頃、やはりアメリカから、黒澤さんと小錦とぼくの三人がナントカで賞を与えるといってきたけど、この組合せがあまりに可笑しいのでやっぱり断った。

●野良猫の目が悪いので目薬を差しているうちにとうとう自分の目がゴロゴロしてどうも調子が悪い。今日は日曜日(7月7日)で休診だし、明日までガマン。

●デビッド・ボウイのCDを二種類買ったけど、もうロック系を受け入れる体質はぼくにはないようだ。やっぱりクラシックと懐メロが肌に合っている。そんな自分だけど、このところ60年代後半のニューヨーク体験などの取材が多い。サイケデリックやヒッピームーブメントが現在の若者の中でブームなのかな。でもこの時代はぼくもどっぷり時代の空気の中で、ガンガン生きていたわけだ。そういえば「GLAY」の4人がわが家に遊びに来た時、60年代のロック・シーンの話をしたら目を白黒させていたもんね。そんな時ふと彼等と同世代に戻った感じになるんだよね。時々若いヒーロー達と話すと自分の中の「若さ」が蘇るのが感じられるね。

●個の土日は制作を休んでボーッと雑用のようなことをしていたので、いつもと違う時間帯の中を流れていたみたいだ。追われる時間というのがあるけど、追う時間の中で生活しなきゃダメだと思う。そう最近は追いつ追われつで、結構いい感じじゃないかな。追われていると思う時は、仕事とは全く別のことに興味を持つと、追う時間を手に入れることができることを知った。忙しい時ほど、別のことをやるといい。例えば展覧会を見るとかね。そんなわけでBUNKAMURAのマグリット展と世田谷美術館の韓国の大衆文化(タイトルを忘れた)展などをみて、美術館のレストランでゆっくり食事をして、学芸員の人や館長さんと雑談していたら、忙しいはずが、全くどーってことないことに変化した。

7月9日 突然やってきた雌猫
(遠い視点近い視点 東京新聞連載より)

 三年前に長い間いた猫の親子が死んでから猫なし生活が続いていた。代わりの猫をと思ったが、死んだ猫への想いが消えない間は他の猫を飼う気になかなかなれなかった。
 もし、野良でも迷い込んでくることがあれば、勝ってもいいと思い、心の中で待ち望んでいたが、猫がいなくなってからというもの、裏庭に寄り集まっていた猫も一匹も姿を表さなくなってしまった。
 それが突然一匹の雌猫がやってきた。雌の野良である。痩せた上に眼を怪我しており、如何にもフーテンか逃亡者という風体で警戒心が強い。そんな用心深い猫がたった一片のパン切れでわが家の住人(?)になってしまった。よりによってこんな哀れな猫を飼わなくても、その気になればもっと綺麗な猫をあげるという人がいたというのに。でも、これも何かの縁だと思うことにした。まだ名前もないが日に日にルックスも変わり眼のケガも治ってきた。まだ十日も経っていないのにわがもの顔で仏壇によじ登って寝たり、ヒトのベッドに上がってゴロゴロ咽を鳴らしながらぼくと枕を並べて一晩中眠っている。ついこの間まで野良であったことを全く忘れて、わが家で生まれたとでも思っているようだ。
 わが家に辿り着くまでの 長い道程をもし、しゃべれば聞いてみたいものだが、きっと何も覚えていない様子だ。長旅の疲れか、猫の習慣か知らないけれで終日眠っている。寝ても覚めても無意識状態の顔をしている。この猫は過去も未来もなく、たった今という瞬間だけの存在で生きているようだ。人間ならば悟った状態かもしれない(理性と感性は欠如しているが)。
 ぼくは猫についても芸術家の理想像の一端を見る想いがする。今という瞬間だけの存在もそうだが、わがままといわれるほど自己に忠実で、妥協ということを知らない。正に芸術家の生きた見本である。またどんな状況でも遊びに変えてしまう才能がある。絵筆の動きにじゃれたり、「うるさい」といってゴミ箱に投げ込むと、その中でいつまでもゴミと格闘して遊んでいる。どんな状況も遊びに変える力は芸術家のそれだ。
 そんな猫の自然体を見てぼくはいつも、ああでなきゃと反省するのである。芸術家といっても、ああでなきゃと反省するのである。芸術家といっても知らず知らず世間の眼を意識してたり、無意識に妥協してしまっていることがある。その点、猫には世間もなさそうだ。あるのは本能と感覚だけのようだ。もしかしたら人間に一番欠けているのが、この二つかもしれない。人間の本能は打算によってにぶっているし、感覚は肉体意識の欠如でこれもさえない。猫のように自己に忠実に行動することを忘れてしまっている。足の向くまま気の向くままにわが家に辿り着いた野良は、果たしてここが安住の地かどうかはわからない。いつまたぷらっと姿を消すかもしれない。そんな風に人間も自由気ままに生きられたら最高だと思うのだが、何かとしがらみがおお過ぎて、現状からなかなか脱却できないであえいでいる。といって現状に甘えるのも、勇気を持って自己を超克するのも、この自分だろう、とぼくの腹の上で眠っている野良が言っているようだ。

7月3日
佐藤ゆうこさん
 田村正和さんはぼくのアトリエの数件手前で、以前からの知り合いです。時々変装(つもり)して散歩している時に会います。アトリエに来ることもあります。以前正和クンが来た時、英が宅急便のお兄さんと間違い、可哀想な正和クンでした。

MITSUKEさん
 「アクエリアス時代の子」は音楽に関するエッセイを集めたもので深夜叢書(そうしょ)という出版社です。一冊位あるかも。

サッカーに関しては、近い内に掲載するサッカーのエッセイを読んで下さい。  

7月2日
 誰だったか(失礼)の質問の中で「腹を立てることは?」というのがありましたが、そりゃ人間だから怒る時は怒りますよ。人間にとって感情は重要です。抑えるのもよし、出すのもよし、でしょうが、腹にためるとストレスになります。理性によってコントロールできれば別だけど。吐き出すにもやはり理性は必要でしょうね。最近は腹立つこと多いですね。利害関係のある人間に対して腹を立てないのは悪くないと思う。だけど人の作品や行動のマネをするアーティスト仲間はイヤですね。人がやったものは絶対やらないという態度だけは守りたいものです。そりゃあうんと過去の巨匠のやったものの影響はいいですよ。同時代のアーティストのやったものを御都合主義的にやる人間だけは認められません。

●1週間位で生まれるといってももらってきたメダカの卵が20日も経ったのにまだ孵らない。卵だと思ったのが単にゴミだったりして。もう少し様子を見よう。

●サッカーファンの人は水曜日の東京新聞夕刊を読んで下さい。ちょっと違う角度のサッカー感を書きました。いずれこのHPで再掲載しますけど。

●BBSって結構楽しいですね。こんなことができるとは知らなかった。これからも楽しみです。

●今後海外(英語)バージョンも開設。作品をどんどん掲示する予定。

7月1日
 皆さん、ぼくがかつて映画やテレビドラマに出演したことはありますが、別に俳優を「やっていた」わけではなく、たまたま依頼を受けたまでで、俳優、俳優といわれると恥ずかしいです。
 
■そーなんですよ。昔は無口で、今はその反対。

■BBSで昔の私メが話題になって盛り上がっている模様。いつから昔で、いつから今なのでしょう。昔の姿や形は8月発売の「ブルータス」の美術特集号や都現美のカタログに沢山登場します。どうぞ昔を懐かしがって下さい。ただし今のぼくはそこにはいませんが。

あきさん
 確かに満月の影響は人に変化を与えると思いますが、ぼくはこう見えても自分の意志に従うタイプなので、その手のものは無視です。自分の意志が意外と自然の摂理と一致することが多いからです。

こゆき&爺さん
 昔の物語面白く眺めています。

■去年、エジプト、ローマ、ベニス、ニューヨーク、西脇を旅したBSハイビジョン開局記念番組で放映されたテレビ番組を今度新たに出演者のぼくが編集してDVDの2時間ものにして販売されます。その編集が今月から開始です。一部都現美の会場で流します。「新宿泥棒日記」の映画も会場で上映されます。

■イヤー、とにかく毎日個展の制作と準備で身体を4つ位に分けてやっております。ただし睡眠はたっぷり取ります。甘い物はひかえ気味。水分は多いかな。昨日は久し振りで増田やで小澤征爾さんに会って立ち話。この所都現美の学芸員の南さん、藤井さん、広島現代美術館の出原さん、美術出版の大橋さんらに会うことが多いです。忙しい最中「原節子伝説」を読んだけど、とにかくこの女優さんは超美人です。彼女のこと「文藝春秋」に書きました。近いうちに「東京新聞」にも書こうかなと思っています。ついでに今描いている絵にも彼女が登場します。かつての絵画にも描いているので展覧会でドーゾ!

■不眠の人が多いんですね。ぼくも昔はそうでした。でも元気だった。「眠ろう、眠ろう」と思わないで、このチャンスをものにしようと思って読書などしてみては如何ですか。それがイヤならTVでもどうぞ。とにかく頭から「不眠」の二文字を取ること。といって「取ること」にこだわるとまた不眠に逆もどりしますね。エーイ、もうどうにかなれ!の精神がイチバン!