2001.11
11月29日のショート・ショートエッセイ

 夕方だったけど、鳩がアトリエの広い窓に体当たりしてきた。
ドカンという音がして羽が辺りに散った。窓には鳩の身体の一部が魚拓みたいに絵になって張付いた。
本体の鳩はどこに消えたのか見当たらない。
 以前にも同じ事があった。その時は絵に鳩の剥製をコンバインしたいと思っている最中だった。
そしてその鳩は死んだ。
まさかこの鳩を剥製にする訳にはいかないので別の鳩の剥製を絵の中に張付けた。
まるでぼくの想いに応えたかの様な鳩の行動だった。

 今日(1/29)はロス・アンジェルスのクロムハ−ツの社長の
リチャード・スタークから最新のトレーナーなど3着送って来た。
彼は僕の出版物のコレクターなので、こちらからも近著3冊を送った。
ロスの彼の工房はドデカイ。一度彼のスペースで絵を描いてみたいと思うけれど、
空気の悪いロスでは喘息持ちのぼくにはちょっとつらい。
以前ロスで個展をした時、ベニスビーチのリサ・ライオンの家で数点個展用の絵を描いたが、
太陽の光が強烈で絵のバランスを崩してしまったことがある。
 でも、海外での制作は気分がいいが、
ぼくはやっぱりこのじめじめした気候に制作が向いているように思う。

11月26日のショート・ショートエッセイ

 山口県の錦町のポスターを昨年に続いて今年も制作しました.
この町にはホタルが沢山出るのでホタル祭りなども開催するくらいです。
田んぼの中を流れる小川や町の中心を流れる錦川には無数のホタルが夜の9時過ぎになると飛び交い、
それはなかなか神秘的な眺めです。
上空には星がまたたき、ホタルと星の区別が時々出来なくなるほどです。
そんな光景をポスターに描きました.
ポスター希望者は錦町役場地域振興課:0827-72-2115に問い合わせて下さい。

11月25日のショート・ショートエッセイ

 来年の話だけれども、また狂言のポスターと衣装のデザインをすることになりました
梅原猛先生の創作狂言で昨年の「ムツゴロウ」に続いて2作目ということおになります。
テーマは長嶋茂雄のクローン人間が沢山居て、それぞれ活躍する話です。
 狂言や能は食わず嫌いの人が多いですが、一度観るとまた観たくなり、
その内に病みつく人もいるのではないかっと思います。
千駄ヶ谷の国立能楽堂で行われますが、日時が決定すればお知らせをします。

11月24日 宝塚ファンへ#1

 先日新橋の第一ホテル東京で宝塚歌劇団の日生劇場での
4月公演の「風と共に去りぬ」の記者発表がありました。
主演は専科の轟悠さん。轟さんに初めて会ったのは4年前の「浅茅が宿」を観た直後、
ぼくの責任編集「横尾忠則マガジン」第一号(平凡社刊)で対談した時でした。
この時、轟さんが美術をやってもらうと嬉しいのですが、と言われ約束したものの、
その チャンスが彼女の雪組在籍中にはなかったのですが、
今回はお互いの願望が実現して初めて「風と共に去りぬ」のポスターを制作する事になりました。
12月に入ってから宝塚歌劇団のスタジオでポスターの為の撮影を行う事になりました。
まだアイディアは未定ですが、これぞ宝塚版「風と共に去りぬ 」のポスターを作るつもりです。

宝塚ファンへ#2

 2年間連載していた「歌劇」の〈僕の宝塚体験〉が12月号を最後に終わります。
長い間ご愛読ありがとうございました。

宝塚ファンへ#3

 目下開催中の原美術館 (LINKより原美術館のサイトへアクセス出来ます) 
には宝塚のスターを絵の中に描き入れた作品があります。
是非見て、誰だか当てて下さい。
「ベルサイユのばら2001」(11月29日号) の「週間文春」の
〈阿川佐和子のこの人に会いたい〉と題する対談にゲスト出演しています。
彼女の聞き上手には何でも喋りたくなりました。
まるで婦人警官に取り調べを受けているみたいでした。


今日11月20日のショート・ショートエッセイ

 紫綬褒章の発表(11月2日)以来一昨日(11月17日)まで連日お花と祝電が舞い込み、
その返礼など、とにかく毎日が嬉しい多忙を極めて、いよいよ昨日より再び制作を開始しました。
 1月25日からロス アンジェルスの画廊で発表す作品です。
ニューヨークのロス・フォロイッツ・ギャラリーでは目下個展を12月22日まで開催中です。
(ニューヨークへお越しの際は詳しい連絡先、がこのサイトのExhibitionに
載っておりますので、是非御覧下さい)

 もう2匹の猫が死んで2年になるというのに今でも時々家に戻って来るようです。
死後1ヶ月頃はしばしば霊として表れたけれど、最近は早朝、時には深夜、
台所で食器などの音を立てます。
生前のバーゴの癖です。またミンネという猫はよく風呂場でウンチをしていたが、
この間は2日続けてやった様です。形体はないが匂いだけを残します。
猫は人間と違って死の意識が乏しいので、想いがそのまま現実世界に霊体を移動させるから、
それをぼくが感じてしまうのです。
ぼく以外の家族には聞こえたり、匂ったりしないようです。

ニューヨークのロス・フォロイッツ・ギャラリーで発刊した
「New Yokoo Times」は日本でも部数限定で発売されます。
近いうちに情報をこのサイトでもお伝え出来ると思います。 是非御覧下さい。


今日11月2日のショート・ショートエッセイ

 信楽の山奥(本当に山奥)にあるレイクホテルヴィラを
地元の陶芸作家の笹山忠保さんの運転する車で鳴門に向かうことになりました。
天気は上々、明石大橋を渡って淡路島を縦断、
さらに鳴門大橋を超えた所にある大塚国際美術館の
10、000 点の西洋絵画の陶板複製画を観るのが目的です。
 一言、この美術館は大変なものです。言葉を失います。
古代から現代までの絵画を全て原寸で表現。
4時間かかってやっとルネッサンスまで観終わったが、
よくもここまでやるか!という大事業に人智を超えたエネルギーに負けてしまいました。
 翌日の9時からマニエリスムから現代まで2時間で観たが、
足が前に進まないほど、へとへとになりました。国民栄誉賞ものです。
そして帰郷。
 帰るなり民放テレビが待機していました。
本日(2日)の紫綬褒章のインタビューです。
旅行前からテレビや新聞の取材はあったのですが、旅先まで電話取材が何本かあり、
笹山さんは「だれか死んだんですか」とけげん顔。
まあ明日になれば分かると思ったので黙っていました。
 そして今朝、NHKの「おはよう日本」から報道が解禁されました。
朝早くからお祝の電話や電報やお花が次々に届きました。
受賞の通知は1ヶ月前に受けていましたが、
もうすっかりさめ切っているところに報道されたものだから、
電話対応などに大わらわ。実に実感がとぼしいのです。
 この賞は年令を意識させられます。過去の実績の評価ですが、
ぼくに与えられているのは未来の時間なので、前に進むしかありません。
 お祝をいただいた方々にはこの場を借りてお礼を申し上げます。